それから、どれくらい歩いただろう。
春を迎えたばかりの空は、冬の名残りのせいかだんだんと薄暗くなってきた。
早く帰らなきゃいけないのはわかってるけど、家に近づくほどその足が重くなっていく。
……帰りたくないな。
憂鬱な気持ちを抱えながら歩いていたときだった。
「ねぇ、そこのキミ、どこ行くの〜?」
不意に後ろから声をかけられ、私は反射的に立ち止まった。
周りには人はいないから、私に声掛けたんだよね?
声がした方を振り返ると、そこに立っていたのは、高校生らしき5人の男子。
声を掛けた相手はやっぱり私だったらしく、みんな私を見ていて。
でも、見たこともない人たち。
5人のカラフルな髪色のヤンキー風な出で立ちに、思わずわずかに後ずさる。
この人たちが、私になんの用……?


