反射的に顔を上げた私は、そこにあった蓮の瞳にハッとした。
こちらに向けられた蓮の瞳が悲しいほどにまっすぐすぎて、私は囚われたように目をそらせなくて、
「最後の命令、」
ただ、蓮の唇が静かに言葉を紡ぐのを見ていることしかできなかった。
「え……?」
「俺の言いなりになる契約を解除すること」
「……っ?」
思いがけない言葉に、その意味を理解した途端、私は目を見開いていた。
どういう、こと?
「だから、これも返す」
蓮がポケットから取り出したのは、コウくんへのラブレター。
「もう花に命令しねぇから。
これ渡して、月島に想い伝えろよ」
押し付けられるように渡されたラブレターを受け取りながらも、私の頭は混乱していた。
「な、んで……」
なんで急に、こんなこと言いだすの?


