【完】365日、君をずっと想うから。



暗くなった気持ちを隠しきれず、思わずため息をひとつ吐くと、蓮が前を向いて歩みを進めたまま、私の手を握る手の力をぎゅうっと込めた。



「蓮?」



「……今日は帰したくねぇな。
このまま離したくない」



ぽつりと放たれたそれは、私に向かって発した言葉じゃない。



心の声がうっかり漏れ出てしまった、そんな声で。



「え?」



思わず聞き返した私の声に立ち止まり、こっちを振り返る蓮は、


「なーんつって、冗談。
間に受けんなよ」


私をバカにするいつもの笑顔で。



そ、そうだよね。


冗談に決まってるのに、一瞬ドキッてしちゃった。



でも、本心であってほしかったなんて、そんなことを思っちゃうのはなんでだろう……。