目に浮かんできた涙を、こぼれる前に拭いながら、ほっとしていると。
「それより、」
不意に蓮が私の手首を掴んだ。
そして
「行くぞ」
唐突にそう言う。
「……へっ?
行くって、どこに?」
急すぎる展開に、思わず呆気にとられる。
「そんなのどこだっていいだろ」
「で、でも、」
「言っとくけど、俺が決めたことに花の拒否権なんてねぇから。
ぐちぐち言ってないで、この俺が花の時間貰ってやるんだから感謝しろよ」
「……っ」
そして宣言通り私のことなんてまるで無視で、そのまま私の手を引いて歩きだす蓮。
相変わらず強引で、俺様で。
でもその強引さが、蓮だってことを実感させてくれる。
その背中を、なぜかずっと追いかけていたい、そう思った。


