お父さんはなにも言わず、リビングを出て行こうとする。 でも、すれ違いざま。 「いつの間にか大きくなっていたんだな、花」 さりげなく、そして不器用に投げられた声は、今まで聞いたことのないほど優しくて。 「お父さん……」 厳しいお父さんらしい優しさ。 その一言で、もう大丈夫だって思えた。 これからは居場所を見失ったりしない。 ここが、居場所。 私はひとりなんかじゃない ─── 。