「だから、何度言ったら分かるんだ。
部外者の君にどうこう言われる筋合いはないんだよ」
この声は、お父さん。
「あのねぇ、あなたにうちのなにが分かるっていうの?」
続けて聞こえてきたのは、お母さんの声。
「お願いします。
差別したりしないで、兄弟と同じように花を認めてやってください。
成績だけが価値じゃない」
「ったく、本当に物分かりの悪い奴だ。
これだから馬鹿は嫌いなんだよ。
なにをあいつに吹き込まれたのか知らんが、あいつの被害妄想が過ぎてるんだ」
「それは違います。
花は苦しんでる。
家族に存在を認めてもらえないことに」
───『俺が花の声になる』
───『俺が花の居場所を作ってやるよ』
蓮の声に重なるように頭の中で響く、この前の蓮の言葉。
ようやくすべてが分かった。
蓮は、私の居場所を作ろうと、お父さんとお母さんのことを説得してくれているんだ……。
蓮……。
思わず私は胸の前で手をぎゅっと握りしめた。


