【完】365日、君をずっと想うから。



たくさんの疑問が渦巻く中、私は家に着いた。



そっと玄関のドアを開けると、見慣れたブランドものの靴の中に、ひとつだけ浮いているスニーカーがあった。



だれかが来ている、それは間違いない。



スニーカーを見つめていると、ふいにリビングの閉められたドアの向こう側から、微かに声が漏れて聞こえてきた。



だれかとだれかが、なにかを話してる……?



私はその声を聞き取るため家に上がり、リビングのドアの前に立ち、耳を澄ました。



「……花……」



「……君……迷惑……」



やっとのことで聞き取れた声。



男の人が言い合っている。



じっと耳をそばだてていると、


「花のことを見てやってください」


途切れ途切れに聞こえていた声が、突然不意に言葉として聞こえてきた。



この声は……間違いない、蓮だ。