目を見開いたまま固まってしまった私に、お姉ちゃんが大袈裟に溜め息を吐いてそれをぶつける。
「はーあ。
あんたも、なんでなにも言わないわけ?
そうやっていつもだんまりでさぁ。
さすが出来損ない。
暗すぎっていうか、もはや気色悪い」
なにも言わない ─── 言えない ─── 私に痺れを切らしたようにそう言い放ち、お姉ちゃんはまたツカツカと音を立てて歩きだした。
私は、動けなかった。
ある確信が、動くことを拒んでいた。
その男子に心当たりがあるから。
きっと、蓮だ……。
蓮が毎日来ているんだ……。
昼間は毎日図書館に行ってるから、全然気づかなかった。
でも、何のために……?
《蓮、毎日家に来てくれているの?》
夜になって蓮にそうメールをしたけど、その日返信はなかった。
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