「なぁ花。
涙を流すことは、だれかに悪いことじゃねぇんだよ」
……これ以上涙を堪えることなんて、できるはずがなかった。
「ふっ、……う……」
ピンと張っていた気持ちが緩み、突然視界がぼやけたかと思うと、堰を切ったように涙が溢れて、それは止めどなく頰を伝う。
一度決壊してしまったら、もうセーブできなくて。
涙と共に、声が漏れた。
「……蓮、助けて……」
絞り出すような声は、ずっと私の心から出るのを切望していたかのように、口から溢れ出た。
「お母さんとお父さんに愛してもらいたいよ……」
ずっとずっと胸の中に隠していた、私の思い。
無視なんてしないでほしい。
私のことを認めてほしい……。
そしてなにより、愛してほしくて、たまらなかったの。
「うぅ……っ」
涙が止まらずうつむいて泣いていると、すっと腕が伸びてきたのが視界の端に写り、私の頰に温もりが触れた。
その指はそっと優しく私の涙を拭ってくれる。
蓮の手は、驚くくらいに温かくて。


