「そんなことより、親父さん、いつもあんなふうに花に接するのかよ」
私は静かに頷くと、蓮の方に向けていた身体を元に戻し、前を見たまま口を開いた。
「全部ね、私のせいなんだ……」
吐いた息と共に、言葉を紡ぎだす。
今にもドクドクと嫌な音を立てて乱れてしまいそうな心を整理するように、ゆっくりと。
「私には、お兄ちゃんとお姉ちゃんがいるんだけどね、みんなすごく優秀なの。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、県内トップの高校に入学して、常に首席」
エリート一家と近所でも評判の家族。
─── でも、兄弟の中で私だけ、
私だけが違った。
「だけど私は、その高校に入学できなかった」
いくら勉強しても、県内トップの高校のレベルに達しなかった。
だからレベルをひとつ下げて、今の高校を受験した。


