「いたっ!?」
「ばか」
落ちてくるその声は怒りをはらんでいて。
そうだよね。
やっぱり、こんな時間に呼び出したこと怒って……
「家の中で待ってろっつーの。
こんな夜遅くひとりでいるんじゃねぇよ」
「え……?」
蓮の言葉に思わず瞠目し、頭をさすりながら再び顔を上げた。
呼び出したことを怒ってるんじゃなくて、心配してくれたの……?
目の前に立つ蓮はよく見ると、肩を大きく上下に揺らしていて。
その背後には、自転車が停めてある。
蓮、急いで来てくれたんだ。
きっと自転車を飛ばして。
こうして胸がいっぱいになるのは、やっぱり蓮のせいだよ。
心臓が騒がしくなるのも、全部蓮のせい。


