少し火照った頬の温度を感じながら蓮を見上げていると、ふいに蓮がいたずらっ子みたいな笑みを浮かべた。



「花は、違うことお願いしなきゃじゃねぇの?
〝胸が少しでも大きくなりますように〟って」



─── んん……?



ひくっと、肩頬が引きつるのがわかった。



「…………れーんーーっ!」



火山が噴火したのは、言うまでもなく。



「その願いごとは、さすがに俺には叶えらんねぇし」



ニヤッと薄ら笑いを浮かべる蓮に、私は多分、人生最大の声を上げた。



「余計なお世話ーっっ!」



頭上では、そんな賑やかな私達を見守るように、星々が優しく瞬いていた。



蓮と見上げた夜空を、私はきっと一生忘れない。








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