【完】365日、君をずっと想うから。



あ、でも……

蓮、ポケットに入れてこれを持ち歩いていたかも。



なんとなく見た覚えがあるのは、きっとそのせいだ。



蓮がなにかを手に乗せ見つめていたのを、見かけたことがある。



それはきっと、この懐中時計だったんだ。



吸い寄せられるように懐中時計を見つめていると、ふいに蓮の声が耳に飛び込んできた。



「そーいや、今日って七夕か」



「あっ、そうだ!」



蓮の懐中時計を元の位置に戻し、蓮の視線の先にある、壁に掛けられたカレンダーを、私も目で追う。



すっかり忘れてたけど、今日は7月7日。

七夕だ。



蓮が言わなかったら、きっと全然気づかなかった。



「天の川、見られるかなぁ」



「ベランダ出てみるか」



「うん!」



立ち上がった蓮の後を追い、私はベランダに向かった。



もう7時。


薄暗くなってきて、夜空も綺麗に見られるかな?