聞き返そうとしたとき、私を包み込む腕の力が緩み、やっと腕の中から解放され、ドキドキしながらおずおずと顔を上げると、
……っ!?
目の前にはなぜか不機嫌な顔の蓮。
「ほんと花ってバカだな」
「へっ!?」
さっきまでの蓮はどこに行ったのやら、目の前に立つ蓮は呆れたような顔で暴言を吐いてくる。
「どうせ、ひかるから家族のこと聞いたんだろ?
でも、ガキじゃあるまいし、夜ひとりだって寂しくなんてねぇから。
俺をみくびんな」
「う、うぅ……」
たしかに、勝手に寂しがってるんじゃないかって決めつけてたけど、蓮ってそこまで弱くなかった……。
なんてったって、元ヤンだし。
しかも、いきなり押しかけちゃったりして……。
完全に私の空回り。
「ご、ごめん……。
帰るね……」
しょんぼりうつむき、蓮に背を向け、帰ろうとドアに手をかけたとき。
「ちげーよ」


