「蓮は、蓮はいつも私に優しくしてくれるよね、」
いつだって、手を差し伸べてくれる蓮。
口では意地悪なこと言うけど、その瞳の奥には絶対優しさが潜んでいるんだ。
「でも……蓮はお父さんもお兄さんも家にいなくて、ひとりなんでしょう?
私なんかが迷惑かもしれないけど、でも、蓮がひとりで寂しい思いをしてるなら、私がその寂しさを少しでも拭ってあげたいの」
蓮をひとりにさせたくない。
そう思ったら、私はここに来ていた。
蓮に悲しい思いはさせたくないの。
私が優しさを貰っている分、蓮のことも優しさで包み込んであげたい。
目を見開き、ただ私に視線を落とす蓮。
多分、髪ボサボサだし、息が切れてるから上手に話せてない。
……だけど。
伝えたいことをすべて言い放った私は、はぁぁっとため息をついた。
「でも、良かったぁ……。
蓮をひとりで泣かせてなかった……」
ひとりで泣かせるところだったかもしれない。
……だって、ひとりは寂しいもの。
安堵から思わず笑みがこぼれた、そのときだった。
ぐいっと手を引かれ、部屋の中に連れ込まれていたのは。


