体を離した森永さんは、ゴシゴシと腕で涙を拭いながら唇を突き出した。



「なんで小暮ちゃんまで泣いてんのさーっ……」



「だって、嬉しくて。
森永さんとお友達になれるなんて……」



すると、森永さんがニッと笑みを浮かべた。



「森永さん、じゃなくて、ひかる」



「え?」



「友達なんだから、下の名前で呼んでよ、花ちん」



「……っ」



こんなに幸せな気持ち、もらっていいのかな。



そのくらい幸せで、胸が温かくて。



「ありがとう……ひかるちゃん」



たくさんの気持ちを込めて、私は大切な友達の名前を紡いだ。








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