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蓮が書いてくれた地図を握りしめ、私は森永さんの家へと歩いていた。
細い路地に入り、いざ森永さんの家が近づいてくるとなると、やっぱりドキドキしてきて、思わず立ち止まった。
スクールバッグを握りしめる手に、自然と力が込もる。
顔も見たくないって拒絶されたらどうしよう……。
一瞬脆く砕けそうになった自分の弱い心を、ぶんぶんと首を横に振り、奮い立たせる。
蓮が言ってくれたじゃない。
『上向いてろ』って。
ここで逃げちゃ、なにも変わらないんだ。
顔を上げ、また歩き出そうとしたとき。
知らぬ間に前方から歩いてきていた人物と目が合い、そしてその人は私を見て目を丸くした。
「小暮……ちゃん……?」
「森永さん……っ」
まさか、こんなところで会うなんて。
予想外の出来事に、慌てて森永さんのもとへと駆け寄る。
森永さんはカラフルなパーカーを着て、顔色も良く、無事な姿を見られたことにまず安心する。
元気そうで、よかった……。


