『ほんとほんと。
ミカちゃんの彼氏を奪うなんて最低だよね』
『ミカちゃん、かわいそう。
大丈夫?』
その後に聞こえてきた、ミカちゃんのすすり泣く声。
『ぐすっ、大好きだったのに……っ。
カズキくんのこと……』
『あのカズキくんが、花ちゃんのことが好きだからって、ミカちゃん振るなんて……。
ほんとひどいよね。
花ちゃんが色目使ったんでしょ? どうせ』
『ちょっと自分が可愛いからって、調子乗ってるんだよ』
……どういうこと?
気づけば呼吸が荒くなっていた。
吐き気さえしてきた。
ミカちゃんには、カズキくんっていう同じクラスの彼氏がいる。
数ヶ月前から付き合いだした、仲睦まじいふたりの様子を見て、私も幸せだった。
だけど今目の前では、ミカちゃんの彼氏を、なぜか私が奪ったってことになってる。
うそ……。
私、なにも知らないよ……?
なにもしてないよ……?


