非常階段に着くと、蓮が踊り場で手すりに肘をついて私を待っていた。



「蓮、お待たせっ」



踊り場まで駆け上がるけど、蓮の顔は不機嫌で。



それどころか、舌打ちまでされる始末。



「おせーんだよ。
待ちくたびれたっつーの」



「ご、ごめん……」



でも授業中だったし……!



謝りながらも、なんだか理不尽な気がするのは私だけ……!?



「ま、しょうがねぇから今回は許してやる。
そんなことより、」



「な、なに?」



思わず身構える私。



蓮が腕組みをしながら、そんな私を見下ろした。



「命令。
明日、マカロン20個手作りしてこい」