そんなふうに結局自分の気持ちがわからないまま時間は流れて

暑さが増してきた、7月のある日。



お昼休みになり、スマホを開いた私は、蓮からのメールが一通届いていたことに気がついた。



《今すぐ非常階段に来い》



ええっ? 今からって……。



メールが届いていたのは、さっきの授業中。


もう20分も経っている。



授業中に今すぐ来いなんて、無理だって……!



とりあえず早く行かなくちゃ!



スマホを制服のポケットにしまい、私は慌てて教室を駆け出た。



なんの用だろう?



やってきた課題見せろ、とかかな?


それとも、購買でパン買ってこい、とか?



なにはともあれ要件が書いてないから、検討もつかないな。



怖い命令はされませんように…!と祈りながら、非常階段へと早足で向かった。