(この声はどこかで聞いたことがある…)

「お前…まさか!!同じクラスの福田シンゴか!?」

『………。』

「どうなんだよ!?」

『私…は……マッチェル…。いや、何でもありません。』

「マッチェル…?何を言ってるんだ?お前は!?」

『だからっ!!…オレが言いたいのは、名前なんかじゃないんですよゥ!!』

(やっぱり…この声と喋りかたは福田シンゴだ!!)

「だったら…俺に何が言いたいんだよ…?」

すると福田シンゴはリズミカルに話しだした

『オレは何でも知ってる情報屋…。』

『この世で知らないことはない…。』

『あなたの電話番号…。松岡組…。そして……伝説のレズビアン…。』

「……!?伝説のレズビアン!?お前、知ってるのか!?水橋さんのお母さんのことを!!」

『知ってますよ。しかし…そのことよりも月見さんに言わなければいけないことがあるんです。』

「な、何だよ?」

『水橋と大杉のことです。』

「………。」

俺のなかで絶対的な、嫌な予感がする…

『実は…水橋と大杉の二人が…。』

「………。」



『明日の朝6時にサクラ駅から、電車に乗って東京に行くそうです。』

「え…?」

「二人で…?いや…」

「明日?マジで明日?」

「明日はマズいって…」



【皮肉なことに、海に行く日が、水橋さんと大杉の東京行きと被ってしまった月見くん…】

【そして何としても水橋さんと大杉を二人っきりにさせたくない月見くん…】

【この後、彼は究極の選択を迫られる】