そんな組長の背中を見つめていたキョウヤの瞳が、ゆっくりとこちらへと向く…
その表情はどこか困ったように…そしていて泣きそうに、片眉を垂らしながら私を視界に捉えて
「…ナオ」
そして私の名前を優しく呼んだ。
その瞬間ブワっと何かが弾けたように涙が溢れ出し、そして自分でもビックリするほどもの凄い勢いでキョウヤへと走り出し抱きついた。
「…キョウ…ヤぁ…」
いきなり抱きついた私をキョウヤは上手いこと受け止めると、私の背中に腕を回しギュッと力を込める。
「ナオ」
この大きな背中も
広いくて温かい胸も
何より心地いい体温も
力強くたくましい腕も
全部全部大好きだ。
人生上手く行く事ばかりじゃない。
大変な事や辛いことがたくさんある。
それでも人は前を見て生きていかないといけないんだ。
後ろではケイゴとチヒロさんが笑ってるいるのが分かる。
何故か周りの護衛さん達はパチパチと拍手し、泣いている人までいて
それを見た私とキョウヤは、二人目を合わせて声を出して笑った。



