ケイゴに握られた手が熱い。
瞳を閉じたままの目頭が熱い。
「ナオちゃん、二人が思い合ってる事は俺達が一番良く知ってる」
頭上から降ってくるチヒロさんの優しい声に、思わず涙が出そうになる。
「ナオちゃんもキョウヤも二人とも不器用だからさ、自分よりも他人を優先して考えるそんな優しいところ俺は好きだよ。でも時にはワガママになって良いんだ。自分を優先して良いんだ。思いのまま生きて良いんだ」
「…チヒロさん…」
「二人のためなら、俺達はいくらだって助けるよ。協力するよ。だって友達だろ」
その言葉に堪えていた涙がそっと溢れ出した。
本当は無理だって分かってた。
キョウヤの温もりを消す事なんて…
無かった事にするなんて…
忘れるなんて…
ずっと会いたかった。
側に行きたかった。
触れたかった。
他の女になんて触らないでって…
私以外を見ないでって…言いたかった。
「ナオ」
「ナオちゃん」
ケイゴとチヒロさんに優しく名前を呼ばれ、ギュッと閉じていた瞳を開く。
「私…」
これから先…きっと沢山の困難が待ってる。
だけど…どんな事があろうと…
何があろうと…
「私…キョウヤの側にいたい」
やっぱり私は、キョウヤが好きだ。



