車の後部座席が開かれる。
シンっとした倉庫の誰もがその光景を見て唾を飲み込んだ。
そして…その中から出てきた人物を見て思わずホッとしたと同時に何故が虚しさが身体中を支配する。
「ナオちゃん、久しぶり」
中から出てきたのは、スーツ姿のチヒロさんと…
「何だお前その面」
馬鹿にしたように笑っているケイゴだった。
それこそ何で…?と思った。
ケイゴは分かるケイゴなら分かるけど何故チヒロさんが…?
「ナオちゃん話しがあるんだ。少し良いかな?」
チヒロさんとケイゴの存在を誰かが知らせたのか、ソウと梶君がプレハブから出てきたのが見える。
話し…
そう言うチヒロさんは真っ直ぐと私を見つめてくる。
私は…私は…
「私は話なんてありません…」
忘れると決心したんだ。そう決めたんだ。
キョウヤの決断なんかに比べたらそれはそんな些細なことかもしれ無い。小さな事なのかもしれない…
けど、だけど…私にキョウヤの決断を崩す事なんて出来ない…
いくらキョウヤが好きでも。
どんなに愛しくても…。



