「そ…ソウ!?」
あまりに突然の出来事に目をまん丸くしていると、ソウがこっちを振り返って来て「ん?」とさも何事もなかったような顔をしてくる。
「あの…拳が机にめり込んでますよ…」
そんな事人間が出来るものなのかと…
拳が机にめり込むことがあるのかと。思わず目をパチクリさせずにはいられない。
「あぁ、これな。大丈夫だ」
そう言って手を見せてくれるけど、その右手は無傷で…もはや机の方が重症だ。
「ソウ、学校の備品壊すなよ」
梶君は頬杖をつきながら困ったように眉を下げて少し笑う。
いや、そういう問題なの?
もはや人間技じゃないでしょコレ。
「イラっとしたからな」
怒ってくれたソウのお陰で、もう誰一人私の話をしてくる人はいない。
「ソウ…ありがとう」
机を壊したのは良くない事だけど、ソウのお陰で助かった…
もうこれ以上昨日の事は思い出したくなかったから…
人の不幸は蜜の味というけれど…今周りからしたら私はまさにそんな感じの対象で見られてるのかな。



