WOLF-孤独のその先-




「なんでいきなり婚約なんかした。何か裏があるんだろ」




それはあまりに単刀直入でストレートな質問。




「その件に関しては、幹部以外に言う事は出来ない」




お父様は持っていた本をパタンと閉じると、テーブルにそれを置いて身体をこちらに向ける。




「それにお前が知った所で何になる」





あまりに冷たいその物言いに、家族だからと言って幹部会議の内容は話してくれるつもりはないらしい…





「何もクソもねェよ!婚約なんかさせねェ!!」




「その子は若の恋人か」




ケイゴの手を握り少し影に隠れていた私を見つめるケイゴのお父様





「お前はその子が好きなのか」




え…?




「お前がその子のために協力してやりたい気持ちはわかる。けどそれは無理な話だ」




ケイゴが私を好き…?

あまりの衝撃に、頭を上げケイゴを見上げると「そんなわけねェだろ。バカ」と言って睨まれる。





「華月グループの拡大に合わせた婚約なんだろ!そんなの分かってんだよ!!それを誰が決めたか聞いてんだ!!」





怒鳴るケイゴにお父様は軽い溜息を1つ吐き出すと「やれやれ」と呟き言葉を続けた。