引かれるがまま「おじゃまします」と言って入るけれど、ケイゴはそんな言葉無視してどんどん進んで行く。
そして一階にある1つの扉を勢い良くバンっと音を立てて開いた。
「あら?ケイゴ今日は随分と早いわね」
ケイゴの広い背中のせいで前は見えないけれど、発せられた言葉にもケイゴは答える事なく私の腕を引いてくる。
「親父どこだよ」
「和室にいるんじゃ…って、えぇ!?」
ケイゴに引っ張られた事によりよろめいた身体が前へと出る。その瞬間ソファーに座ってテレビを見ていたであろうケイゴのお母様と目があった。
「え?何?どういう事!彼女なの?彼女を紹介しに来たの!?」
私を見るなりいきなりソファーから立ち上がりこっちに走ってくるお母様の顔はケイゴにそっくりで、というよりケイゴがお母様にそっくりで、思わず目をパチクリとさせる。
「彼女めちゃくちゃ可愛いじゃないの!え?何なに?結婚するとか言う挨拶じゃないわよね!!」
何を思ったのかものすごいニコニコ笑顔で私を覗き込んでくるお母様に、もはや唖然とするしかなくて
一方ケイゴは
「うるせんだよ」
と言うだけで、もはや否定も肯定もしなくて、
「行くぞ」
「え?いいの…?」
「ほっとけ」
だから多分、私とケイゴはお母様に結婚すると思われてるに違いない…。



