この間まで仲良く一緒にいたのに。
二人思い合って初めて結ばれたはずなのに…
あれはもしかして私の都合の良い夢だったのかな…?
そんな馬鹿げたことが頭をよぎって消えていく。
「ナオっ」
私を抱きしめるケイゴの腕が微かに震えている。いや、私の身体が震えてるのか…分からない…何にも分からない。
ケイゴは私よりも先にこの光景を見ていたんだね…だから私に見せまいとしていきなり焼肉屋に行くなんて言い出したんだ。
ケイゴの言うこと聞いとけば良かった…
そしたらこんな事にならないですんだのに。
いや、それは違うか。
いつかこの現実はどうせ知る事になってたか。
混乱で訳の分からない頭を一生懸命動かすけど、答えなんて到底見つからない。
涙は止まることを知らず、ケイゴの胸元のシャツをぎゅっと掴む。
「……うぅっ…」
まるで声を押し殺すようにケイゴのシャツを掴むせいで、きっとシャツはくしゃくしゃだ。
それに合わせるようにしてケイゴは抱きしめていた身体にギュッと力を込めると
「キョウッ!!!」
ものすごく大きな声でキョウヤの名前を呼んだ。



