何が起きているのか分からなかった。
何が分からないのか分からないほどに頭は混乱していたのかもしれない。
「いや、何でもない」
私を捉えていた視線は外され、そしてその隣にいる女性へとキョウヤの瞳が向けられる。
その瞬間、まるで大きく胸がエグられたような気がした……
どうして…
どうして他の女の人と一緒にいるの…
どうして腕を組んでるの…
どうしてその手を振り払わないの…
どうして…私を見てはくれないの。
叫びたい事はたくさんあるはずなのに、ノドは干からびたみたいにカラカラで…一言も言葉なんて出ない。
ただ、後ろからケイゴに腕を引かれて包み込まれた瞬間…
驚くほどたくさんの涙が溢れ出した。



