「嘘…」 「ん?」 私の口から出た小さな言葉を優しく聞き返すようにしてくれるキョウヤ。 「さっきの全部嘘…」 「嘘?」 「好きな人なんていた事ない。彼氏だっていなかった…私もこんな気持ちになったのキョウヤが初めて…嫉妬して嘘付いた」 少し視線から逃げるように瞳を伏せれば、落ちていく涙を拭ってくれる。 こんなくだらない嘘を付いて嫌われたかな…呆れられたかもしれない。 だけど やっぱり 落ちて来た声はとても甘く、いままで聞いたこともないほど優しい囁きで 「ナオ」 私の名前を呼んだ。