「キョウヤのせいじゃん」
ドキドキを押さえるために無理矢理キョウヤから離れるけど、そんな事を許さないかのようにギュッと肩を抱き寄せられる。
「中庭に甘いモン食えるとこあるらしいけど行くか?」
まるで機嫌をとるように、だけどどこか楽しそうに笑うキョウヤに思わず私も頬が緩んでくる。
「うん、行く」
二人で出掛けられる機会なんて滅多にない。それどころかキョウヤが若頭になって以来一度もないんじゃないだろうか。あったとしてもコンビニくらいだ。
旅館内ならチヒロさんも自由に移動して良いって言ってたし、キョウヤと二人で出掛けられるなんて多分これからもそうある事じゃない。
といっても結局は旅館内だけど。だけどもそれだけで十分だ。キョウヤといられるなら何処にいたって楽しい。
そしてこうやってキョウヤが普段しないような事でも、私の為に色々考えてくれる事が一番嬉しかったりする。



