「じゃあナオ、また連絡するわね」
その後は、いつ入籍をするのか。この家は売り払って母達は北山さんの会社付近に引っ越すなどそんな話をしていたように思う。
私の家は今週中には手続きをしてくれるって事らしい…
バタンと閉まった玄関の扉を見つめながら思い出す。そういえばバイトに行かないと、と
母達がどのくらい話して居たのかは分からない、でもとにかくいつもの時間よりは過ぎていて、部屋に戻って鞄を握り締めると制服のままマンションを出た。
何故だか足取りはいつもより重たく感じる。
冬と春の境目で風邪でも引いただろうか、ジリジリと重たく感じる足を持ち上げた時
ポツリと冷たい雫が服を濡らした。



