だだっ広い玄関に足を踏み入れ、キョウヤの後をついて行きながら「お邪魔します」と小さく呟く。
「そこの棚の右下」
リビングに入るとテレビ横にある黒い棚を指差してキョウヤがそう言った。
そこの棚の右下?
何が?
「手当てしろ」
どうやらキョウヤの言うそこの棚の右下には救急セットがあるらしく、言われた通り引き出しを開けると、プラスティックケースの救急箱が入っている。
ここまで連れてきてくれたくせに、傷が残るとか散々言ってたくせに、どうやらキョウヤは手当てをしてくれるつもりはないらしい。
自分でしろって事らしい。



