少しして駅前に停められたのは黒のメルセデス。
後ろは完全なるフルスモークで、どっからどう見ても私にはあっち系の車にしか見えない。
「乗れ」
だけどキョウヤはその車になんの躊躇もなく近付くと後部座席を開けてそう言う。
「え?」
「膝」
そう言って向けられたキョウヤの視線の先には血が滲んでいる私の膝。
「手当てしねぇと傷残るぞ」
「大丈夫だよ、そんな大した傷じゃない」
あれだけ人を殴っていた人がこんな擦り傷には敏感なのかと少し驚きながらも首を横にふる私を無視してキョウヤは「早くしろ」と言わんばかりに睨みつけるもんだから仕方なく車に乗り込むしかなくて
私はこのあきらかにあっち系の車へと乗り込んだ



