WOLF-孤独のその先-




瞳に色を写す事なくただ目の前の一人を殴り続けるその光景は、私の身体を震わすには十分で、恐いと思った。




それはまるでいつものキョウヤと同じ人には見えなくて、とても同一人物とは感じられなくて、そんなキョウヤを思わず恐いと思った。




だからなのか、そんなキョウヤを見ていられなかった。




「キョウヤ…」



私はキョウヤの電話番号も知らなければ名字だって知らない。友達なのかと言われたら決して友達ではないし、きっと知り合いくらいの関係なんだと思う。



この光景をほっとくなんて当たり前に出来た、そもそも他人との関わりをあまり好まない私はその行動が当たり前だった。




だけど、気が付いた時には私は人集りを無理矢理すり抜けて男達が倒れているほんの少しの空間に向かって足を進めていた…