冬休みが終わって3学期が始まると、
となりの席が空きっぱなしの日が続いた。空席の机が、ちんと黙り込んでいる。


どうしたんだろう?
佐伯がいないとつまんない。
さびしい。
あの時、あんな態度とらなきゃよかった。
となりにいるだけで良かったはずなのに...


佐伯がいなくなってしばらくは、
戻って来るかもれないと期待して
来る日も来る日も待った。
でも結局、彼が戻って来ることはなかった。

佐伯は突然、姿を消した。
まるで風のように。
あまりにも突然すぎて、
悲しむ暇もなかった。

彼が学校に来なくなっても、
誰も気に留めてないみたい。