「敬清中には受かってよ。
お願いけん、城西中だけは行かんでよ!」

兄が私にプレッシャーをかける。
ちなみに兄は、県内でトップ5に入る高校の2年生。春に3年になる。

既に修明中に落ちていた私には、敬清中に合格するしかなかった。
さもないと、城西中に行くはめになる。
私が絶対に行きたくないところ。
暴走族はいるし、暴力沙汰を起こす生徒もいる。その手の騒ぎは珍しくない。
堕落した不良校。問題児の巣窟で有名。

11月に行事の一環として城西中の見学に
行ったけど、先に敬清中の見学に行って
いた私はあまりの違いに愕然とした。
敬清中は校則が厳しくて礼儀作法に厳しいことで有名なだけあって秩序があるけど、城西中は校則なんてあってないも同然。

不良をバカにしているワケではないし、どうのこうの言うつもりはない。
ただ、受験に失敗して城西中に行くことになれば、優秀な血を受け継いだ一家の恥になるだろうし、自分が悪影響を受けて道を踏み外すことになってしまうかもしれないと不安なだけ。

どうやら、私は母方の優秀な血は受け継いでいないみたいだけど... きっと、全部兄ちゃんにとられてしまったんだ。


兄の指導の下、必死に受験勉強をし、
面接の練習をした。



そして...