君のいた席

放課後、彼は珍しく教室に残って、約束通り私に数学を教えてくれた。いつもはHRが終わると、さっさと行ってしまうのに。

まあ、正確には、教えてくれたとは言えないけど...


『さっぱり分からん!
何でこうなるワケ?』

「マジで分かっとらんな…」

『だから言ってんじゃん!』

「とりあえず写せ。理解するのは後!」


しばらくすると、先輩たちが来た。

「おーい、佐伯!」

佐伯は先輩たちと仲が良い。

「おー、先輩!」

彼はまるで、お腹を空かせた犬が餌をもらうときのように喜んで先輩たちのいる廊下側の窓へ飛んで行った。

ははーん、そういうことか。
いつも教室からそそくさといなくなるのは、先輩たちのところに行くからなのね。