君のいた席

『これでヒドさが分かったでしょ?』

「オイの教えちゃろうか?」

一瞬、耳を疑いつつも私は目を輝かせた。

『ホント?』

成績はそこまで悪くないみたいけど、
授業は真面目に受けないで他人のノートを写してばかりの彼が他人に教えられるのか?

そう疑ったものの、嬉しすぎてそんなことはすぐに忘れた。


昼休みに教室のロッカーでたまたま一緒になった愛理が話しかけて来た。

「ねぇ、紗世てさぁー、
佐伯のこと好きなの?
ラブラブだよねー」

目ざといヤツ。
って言うか、何その嫌味ったらしい
ニヤニヤ顔?

『そう?』

あえて否定はしない。
確かに佐伯のこと、好き。
でも、恋とは違う気がする。
何て言うんだろう?
憧れって言うのかな?
よく分かんないけど...
彼は私にとって、兄貴的な存在。