早く俺を、好きになれ。



深みにハマる前に、のめり込んでしまう前に。


好きでいることをやめなきゃ。



でも……そんなこと出来るの?



「他にもオススメの恋愛小説があるから、また持って来るよ」


「え!?ホント?借りちゃっていいの?」


「もちろん」



ダメだってわかってるのに、武富君との接点に嬉しさを感じる。


仲良くなったって、武富君が私を見てくれる可能性はないのに。


それでも嬉しいと思ったり、胸が熱くなる私はバカだよね。


きっと、最初から手遅れだった。


好きになった時点で、好きでいることをやめるなんて出来なかった。


だって私は、すでに武富くんのことがすごく好きだから。



「市口さんさえ良かったら、今度隣町の大きな図書館に行かない?」


「え……?図書館?」



ドキンと胸が高鳴る。


一気に体温が上昇した。



「2人でじゃなくて、俺の彼女と友達も交えてだけど」


「え?あ……」


なんだ。


そうだよね。


そうに決まってる。


2人で行くなんて、そんなことはありえないよね。


一気に現実に引き戻されて、胸が苦しくなった。