港の迎えを待つ間壁に寄りかかりタバコに火をつけた
「……」
タバコを口に咥え何かを思い出したようにスーツのポケットを探る
「あった。」
ポケットから取り出したのは一つの紙
あまりにも適当に突っ込んでいたためかくしゃくしゃになっていた
俺はその紙を開き読みやすいように綺麗に伸ばした
その紙に書かれていたもの
それは純林の奴から受け取った紙
待屋餡子の個人情報が記されていた
住所や電話
それに家柄や家族構成
その情報が詳しく簡単に記してあった
「…お嬢様、か。ったく、なんで親父はこんな奴を花嫁候補にしたんだ?」
大方純林に花嫁候補を探すように指示してたのだろう
めんどくさいことになりやがった
大体1人の女を愛することなんて俺に出来るのだろうか
今まで複数の女を同時進行で付き合っていた
正直好きでもない奴とさえも付き合った