最近、なんだか毎日が楽しく感じる。

全てが順調にいきそうで、世界がキラキラ輝いて見える。以前より、人と接するのが嫌ではなくなった。日本語訛りでも、積極的に話しかけられるようになってきた。

今度の土曜日のコンサートには、ニコラスを誘ってみよう。ヴァイオリン協奏曲だから、きっと興味をもってくれるはず。

「ニコラス、土曜日にコンサートがおるのですが、一緒に行きませんか?」

「もちろん!国立オーケストラ?」

「そう、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏するんです。」

「まだチケット取れるかな?」

「見にくいけれど、学生席なら、オーボエの先生が劇場関係者なので融通してくれるって言ってました。」

「最高だね!」

「はい!今日のレッスンの時にお願いしておきますね。」

「ありがとう。」



私はよく学生席でオーケストラを聴いていた。それがこんな時に役に立つとは思っていなかったので、とても嬉しかった。

「ミンジー、土曜日のコンサートにニコラスを誘っちゃった!」

「キャー!やっぱり恋に落ちたのね!もっと早く言ってくれればよかったのに!」

「だってね、自身がなかったの。それに結構年上でしょう?すごく素敵だし…。」

「大丈夫、お兄ちゃんは奏美に気があると思うの!」

「本当に?」

「本当、本当!私にはわかる!」

「なんで?」

「えー、内緒!」

「教えてよー!」

「カンってやつよ。」

「意味わかんない…。」

「ふふふ!」

「もー。根拠なしかぁー!」

「それでも、大丈夫!」