短い休みが終わった。

学校へ戻ると、ホッとする自分がいた。

「おっはよー!」

「ミンジー、ホリデーは何をしていたの?」

「うーん、ダラダラ!奏美は?どうだった?」

「もう行きたくないね!」

「やっぱり?大変だったんでしょう?」

「いろいろあったけれど、得たものもあるよ。」

「じゃあ、次はオーケストラフェスティバルでの演奏だね!」

そう、1年に1度、この地域の学校のオーケストラが集まり、それぞれ演奏する催し。

フェスティバルなんて陽気な名前だけど、実際はコンクールのように評価がつけられる。

「また練習厳しくなるねー。」

「そうね。」

「奏美、ちょっと来てくれるかな?」

音楽の先生に呼び出された。

「君は、音大には進まないの?」

「はい、やりたいことがあるんです。」

「音楽以外に?」

「はい。」

「SSSOはどうだった?」

「勉強にはなりました。でも、私はこの世界に向いていません。」

「そうか。僕はこの世界にいて、何人もの学生を見てきたんだ。どう頑張っても才能がなくて、プロへの道を諦める生徒もいれば、君のように才能を捨てようとしている生徒もいる。」

「それでも、私はー。」

「わかっているよ。でもね、音楽の楽しさは忘れないで欲しいんだ。」

「どうすればいいですか?」

「まだ先の話しだけど、オーケストラフェスティバルの最後に全員で演奏するパフォーマンスがあるんだ。」

「全員って、千人近くですよね?」

「そう、そして、演奏する曲にオーボエのソロパートがあるんだけど、オーディションを受けてみないかい?」

またソロパートが波乱を運んでくる。それでも、リベンジは必要かもしれない…。

「はい、やります!」

私ははっきりと承諾した。