主争奪魔法学園

女性は無表情で淡々と私にそう告げた。その言葉はとても心強くて少し安心する。

「あ、ありがとうございます!」

私がお礼を言うと女性は柔らかく笑った。その笑顔からは暖かさが伝わってきた。素敵…顔も心も綺麗な女性がこの世にいたのかっ!

「ありがとうございます!」

「何で二回言ったの…?私は神崎咲希(カンザキサキ)。よろしくね」

互いに笑い合って肩を並べながら体育館へと向かった。だが私は思いもしなかった。のんきに女同士の仲を深めている間も私には幾つもの問題が忍び寄っているだなんて……



*



「一同、起立」

体育館に理事長の声が響き渡った。その声を合図に生徒や教員、PTAなど体育館にいる人全員が立ち上がる。
私はここの生徒として千人以上の男子生徒に紛れて…男子として入学したのだ。これからは女子だとバレないように死ぬ覚悟を持って過ごさなければいけない。

「在校生は勿論、教員もいつでも死ぬ覚悟でいる様にして下さい」

「はい…って、え?」

私の心と同じ声が耳に届いたため思わず返事をしてしまった。だが返事をしたのは私だけではなかった。在校生と教員も声を揃えて返事をしたのだ。

「一体…どういう…」

私がこの入学式に聞いた理事長の言葉と全員の返事の意味を知るのはそう遅くはなかった。