打ち上げの日だった。
練習会のやつでは、高校生になる前に送別会みたいな打ち上げ、
まぁ、みんなでご飯ってだけなんだけど。
そんな日に私はうれしい話を聞く。
俊介は、私の隣に座ってて、
私を挟んで大人の人とはなしてた。
ご飯を食べながら二人の会話に耳を傾ける。
「なぁ俊介。
いま彼女とかいんの?」
「なんスカ、急に。いないっすよ。」
「えっ?!」
二人が、一斉にこっちを見る。
「あ、スイマセン。」
どうぞどうぞと、ジェスチャーで伝える。
「で、なんで?お前モテるだろ?」
「いや、モテないっすよ?」
「は?!うっそだあー!」
あ、またつい言っちゃった。
俊介がこっちを見て、あのかわいい笑顔で
「なにそれ、ウソじゃないし。」
ああ、私この顔に弱いかも……………。
そんな感じで幸せに浸ってた。
「お前、高校決まった?」
また、二人の会話がはじまる。
「あ、はい。一応。」
どこなんだろ…………。
「やっぱり、県外?」
「はい。東北の方に。」
東北……………。
県外…………。
ここからいなくなっちゃうんだ…………。
「彼女作んねーの?」
「まぁ、いまつくってもどうせここ離れるんで
高校でですね。」
またかわいいえがおで、俊介は言う。
あ。やばい。涙出てきそう。
俊介は、私の気持ちなんか知らない。