彼は動けないのか、その宝石の様な目でこちらの出方をうかがっているように見えた。 「あなた…怪我をしているの!?」 着ているものが黒かったからすぐには気づかなかったけれど、腕と下腹の辺りがどす黒い血で濡れているのが分かった。 呼吸も粗い。 「待ってて!すぐお医者様を!!」 「待て…っ!」 駆け出そうとした私を、彼の振り絞った声が呼び止めた。 「なぜ!? あなた酷い怪我をしているわ!」 彼は痛みを堪える表情を浮かべた。 「人に…、 知られる訳にはいかない。 見つかれば…殺される。」