帰り支度をする、この時ばかりは堂々と先輩のデスクの前を通って行けるのが嬉しい。
あ、先輩居た。


「なぁ、パスタとラーメンどっちが好き?」

え?どういうことだろ?
ラーメンは好きだけど、綺麗に食べるのが難しくって…
っていうか、どういう意図で私にそんなこと聞くんだろ?

「んっと、パスタです。」

あれ、先輩黙っちゃった。ダメなのかな?

「白石さんはどっちですか?」
「俺?俺はパスタなんて食わねーよ。」

え?一体何聞かれてんの?私。

「何かくれるんですか?もしかして美味しいカップラーメンとか!」
「は?ハハ、いや、何もやらないけど…」
「こないだみたいに夜出てこれたらさ、誘いたいな~…と思ってな。」
「嬉しいです…、嬉しいんですけど…かなり難しいです…ごめんなさい…」
「え?そうなの?」
「あんなハチャメチャに会いに行っちゃった私が言っても説得力ないんですけど、無理です…」
「飲み会とか行った事ないの?」
「最近は全くないんです。けど、それ妙案ですね!そうします!」
「架空の?」
「はい、架空で!」