何度も演技を止められて、みんなに迷惑をかけつつも、どうにか撮影にも慣れてきたころ、撮影現場にSoul Loversの七倉ハルとDJマッシーが来た。
今回のドラマの挿入歌を2人が作曲する。
曲を作るために、現場の雰囲気を知りたいからと、ここに来たらしい。
目の前に立ったハルさんの圧倒的な存在感に、現場の空気が一瞬で変わった。
ハルさんは監督にあいさつした後、優紀君に声をかけた。
「久しぶり」
目を細めて、そう言ったハルさんの声が、あまりに綺麗で聞き惚れる。
「お久しぶりです、ハルさん、マッシーさん」
そう言って頭を下げた優紀君の細い首に、がしっと腕を回したマッシーさんが、
「よ、美少年。相変わらず細いな。ちゃんと飯、食ってるか?」
豪快に歯を見せて笑いながら、優紀君の頭を乱暴に撫でた。
精巧なガラス細工みたいに綺麗な優紀君を、こんなに雑に扱う人がいるなんて。
そう思って、ぽかんと口を開けて、優紀君とマッシーさんを交互に見る。
優紀君は嫌がるどころか、嬉しそうにマッシーさんに身を委ねてた。


