『バカ琉宇!よくも俺の繊細な心を粉々にしやがって。許さねー!!』 電話の向こうで暴れる開。 「あの……なんかごめん」 どうやら開を傷つけたらしい。 『ぜってー許さねー』 「だから、ごめんって」 『許さないから、絶対俺を好きって言わせてやる!』 顔は見えないのに、心の中に、開の燃えるような瞳が浮かんだ。 「けど私」 「やっぱり優紀君が好き」って言おうとするのを遮って、 『俺、本気だから。本気で琉宇が好きだから』 胸に刺さるような鋭い声で、そう言った。