「おはようございます」 あまりに久しぶりすぎて。突然すぎて。 よそよそしく挨拶すると、 「なに気取ってんだよ!」 そう言って、開君は私のほっぺをプニッとつまんだ。 気の強そうな、少し吊り上がった眼は、いたずらっ子みたいに私を写す。 「今日はよろしくな。琉宇」 開君は、私の頭をくしゃっと撫でた。 最初の撮影は、大きな遊歩道の上。 見つめあう二人。 スタッフが、MV用の曲を流す。